季節より早く巡るオタク業界に思いを馳せる

※(12/30)誤字脱字がひどかったので追記修正しました。(これだから酔っぱらいは…)皆様良いお年をお過ごしください。

 

ご無沙汰しております。

 

このブログを始めた時は「自粛期間だからオタク活動が捗る♡」とか「私もついにテレワークデビュー?!」とか思っていたけれど、業種もあるだろうけれど、特に自粛もテレワークも無くいつも通り馬車馬の様に働く一年でした。

とかなんとか2020年を振り返るための記事を書きたかったわけではなく。(今年も終わるけれども)

 

上にも書いた通り、コロナ自粛とか関係なく働いていたけれど、ブログを始めたこともあり、私は久しぶりにオタク活動に精を出した。(とかいって4月から更新していなかったが…) そしてとある作品にドハマリした。その作品自体は2年ほど前に世に出た作品だが、今期アニメ化したラップでバトルする某作品である。正直なことを言うとその作品が世に出はじめ一世を風靡した時からは気にはなっていたがオタクの第六感が「これにハマったらまずいぞ」と告げていたので避け続けていた。あと普通に仕事も忙しかった。しかし、結局沼に落ちてしまった。私なんてその程度人間なのである。

 余談だがその作品自体も、色々燃えたりしているのも知っているが私のような訓練された古のオタクは「まあそんなもんだよね~~~~!!」と思えるので不思議である。しかしながらいつも思うのだが女性向けの二次元作品って、公式や制作側の思慮の浅さやばくない?

 

さて、私はそんな某作品に今更ながらもドハマりし、久しぶりにオタク活動に精を出そうと思った。超絶ブラック企業に就職した私は社会の荒波にもまれまくり、オタク業に励む余裕をなくし、好きな作品やキャラがいても、愛でることも、pixivなどで検索をかけることも、しなくなっていた私がである。2年前そのブラック企業から退職して起業をし、相変わらず仕事に打ち込みすぎて社畜ではあるものの、オタク活動に励むくらいの余裕だって出来た。そうして夜な夜な二次創作を求め徘徊する姿は、さながら妖怪・萌えクレババアである。ところがそんな妖怪が二次創作業界をかれこれ10年ぶりに訪れたところ、ものすごくアップデートされており、呼吸困難に陥った。昨今の様々な技術の進歩に伴い、オタクジャンルも変化が起きていることは分かっていたが、久しぶりに自分がその渦中に飛び込み愕然としている。(10年以上前に同人活動していた古のオタクの戯言が以下続きます)前置きが長いうえに懐古厨な内容ですが、古のオタクが時代についていけない様をあざ笑ってください。

 

前提として、私自身が二次創作を世に公表しはじめたのは、かれこれ10年ほど前にになる(書いていて前のこと過ぎてつらい) それまでも夢小説・BL小説を個人的に書いたり、二次創作サイトを巡って楽しんだりはしていたが、2010年ごろに私はコー〇ーさんの某戦国ゲームのとあるカップリングにドはまりし、のめり込み、ものすごく創作意欲を掻き立てられ、その気持ちを抑えきれず、初めてサイトを作り二次創作を世間に発信するという行為をした。それまでの私は、私は自分の書いた文章をインターネットという大海に発信するということにものすごく抵抗があった。「こんな自分の妄想の塊のへたくそな文章、誰が読むんだ…」と思いっていた。自意識過剰だったのである。しかしそんな自意識を上回るほどに、「この萌えを発散したい」という気持ちが勝り、私はサイトを作った。結果、とても楽しかった。それまで自分で妄想を書き散らしているだけで起承転結もなく、それこそ書きたい事だけ書いて保存しているだけの文章だったが、サイトに載せるということを思って、物語をちゃんと完結させるということを意識するようになったことはものすごく成長だったなと思うし、何よりもやはり読んでくださる方の存在。自分の書いた己の萌えをつめこんだだけけのオナニー極まりない文章でも、誰かに読んでいただけるということはものすごく刺激になり、感想を頂けることは尋常じゃなく嬉しいものであり、励みにもなり、幸せだった。あと、このカップリングは自分しか好きじゃないだろうなあ…と思うドマイナーなカップリングにハマった際も、作品を公開したことで同志に会えたりして、それもとてもうれしかった。世に作品を公開することで、自分の妄想がより具体的な形をもっていくことを知り、私はものすごく二次創作を楽しんでいた。(でも今になって思えば、その某戦国ゲーム自体がそこまで大きいジャンルでなかったこともただただ楽しく過ごせた要因としては大きかったのかもしれないと思う。人気ジャンルは見る限り色々大変そうなので…) 

 

さて、以下戯言が続く。

まず、サイトを持たず、pixivに作品を公開するという変化。

これが私が久しぶりに二次創作業界を覗いて一番驚いたことだ。私が二次創作をしていた全盛期は自分のホームページで作品を公開し、検索サーチサイトに登録するのが主流だった。今はそうではない。pixivにアクセスし、検索ワードを入れれば誰もが自分の見たいものを見られるようにあなった。ある意味、誰もが恐ろしいほど簡単に、自分の見たい二次創作をみれるようになったということだ。

二次創作はある意味公になったのだな、と私は思った。pixivとは、ある種公向けのカテゴリだと私は思っている。それまで沢山検索除けをかけ、自分の作品を世に出ないようにひっそりと活動していた私のようなかつての同人界を知っている側として恐ろしい話である。なぜならあの頃は『二次創作は絶対に表に出してはいけないもの』だったからだ。でも、pixivというある意味誰でもアクセスが出来る場所に二次創作を公開する権利を、私達は得た。ということなのだろう。世の中はそれだけオタクに寛容になっているのだ。(これに関しては正直私みたいな久しぶりにこっち方面に戻ってきた人間には分からないのだが、あの二次創作へのアンダーグラウンド感はどこにいったの?そうやってやらなくても平気になったの?pixivもアンダーグラウンドなの?決してそうとは思えないのだが…。いまだに混乱中である)

 

もう一つは、タイトルがない作品が多い。

pixivを見ていると、作品の雰囲気に合わせたようタイトルをつけるのでなく『上腕二頭筋のすごい上司に迫られた話』というような"これがなんの話であるのか"というのを提示したタイトルがほとんどを占めている。これは一前TL漫画について熱く語った時と同様に、これだけ情報の溢れる世の中になっているので、いかに手っ取り早く楽しめるのかということが重要になっているのだと思った。

それが良いか悪いか、ということではなく、時代の流れだなと思った。私が二次創作に勤しんでいたころは、ものすごく詩的なタイトルをつけている二次創作が多かったし、なんなら、クリックしないと誰と誰のカップリングなのかもわからなかったし、□□□■←new! みたいな表記のされ方も多々あったし、カーソルを合わせて少し待つことではじめてどんな作品であるのかがポップアップで表示されていた。今になって思えばとにかく読み手に優しくない世界だったが、私達はそれでも全力で二次創作に挑んでいた。そう思うとpixivはものすごく作品を読む側に優しい。

 

もう一つ。みんな、次のジャンルいくの、早くない?ということ。

これまた懐古も甚だしい古のオタク感が丸出しなのだが、今回2年前に世に出た作品を後追いでハマって色々見ていると、皆様すでに別の最新の作品にハマっている。それ自体は別にいいんだけれど、そうなるとその前好きだったジャンルの作品は消してしまったり、何なら、〇〇のジャンルはもう更新しませんといってアカウントを消したりしているのだ。当時は今でいう他のジャンルにハマったからといって、アカウントを消す、というようなことはなかった。長年追いかけているサイトの管理人さんが他ジャンルにハマっても、そのうちこっちのジャンルも書いてくれるだろうな~と思ってホームページに日参していた。萌えの消費サイクルが早くなっている。それは正直業界全体に言える話なのであれだが。

 

最後に。あの当時のオタクって物凄くキャパが広かったんだな…ということ。

今のオタクがキャパシティが狭いと言いたいわけではないけれど、それにしても当時を思うと、今は住み分けだの地雷だのタグ表記の仕方だのなんだので何かにつけよくトラブルが起きている気がする。あの当時は、皆『自己防衛』していた。しかしこれだけネット社会が発達し、得ようとしなくてもいくらでも情報が入ってくる時代になってしまうとその自己防衛も難しいのかもしれない。誰もが気軽に自分の読みたいもの、得たい萌えを気軽に摂取できる反面、自分の趣味趣向に合わないものは排除するためには攻撃するしかないこともあるのだろう。別にそういったトラブルを肯定しているわけでないし、攻撃するのはどうかと思っている。なぜなら古のオタクなので。

 

 

だらだらと懐古厨前回な内容を書いてきたが、私個人としては、世間が二次創作を許容するのであればそれに関わるいろいろなルールの取り決めが緩くなることは別にいいと思っているが、しかしそれでも二次創作ってやっぱりセンシティブな領域と思っているので、世の中の流れや、曖昧に受け入れられているルールに関してはついていけないなと思うときもある。(Twitterとかそれこそ全世界に垂れ流しなわけだし…)その辺がもう世代間ギャップなのかもしれないが。だが、先日世を賑わわせた『二次創作へ呪いをかける』の投稿を読んで、この話って、ここ二次創作があまりにもオープンになりすぎたことが生んでいる問題なのではなかろうか、と思ってしまった。あの話にかかわらず、時代が変わり『二次創作は表層世界に決して持ち出してはいけないもの』というルールはもしかしたらあの頃よりは緩くなっていることによって起きているネガティブな面も沢山あるんだろうなと思う。けれどその分ポジティブなこともあるんだろうし、私もそのポジティブな部分を沢山享受しているので結局は気持ちの問題なのかなとも思ったりしている。

 

しかしたった10年で二次元や二次創作を取り巻く環境もここまで変わるとは。読み手の私は何にも変わってないのにな!!と息巻きながら本日もワインを二本空け、妖怪萌えクレババアとしてインターネットの海を泳ぐのであった。